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開催報告「おきなわ空想路線図を作る! データ活用ワークショップ」

8月18日、19日にOkinawa Open Data Challenge 2022「おきなわ空想路線図を作る! データ活用ワークショップ」を開催しました。


 今回のワークショップでは、参加者自ら考える「理想の交通、路線図」作成にチャレンジしました。2次交通データを中心に、関連データを収集・整理し、データが提供されていること、することの価値、そして現状把握や分析につなげ、持続可能な公共交通を考える第一歩を目指しました。


OODC2022では事前学習を兼ねたプレイベント2回、実際にデータを作成するメインイベント2日間と、昨年よりもパワーアップした計4回の内容になりました。

参加者は IT事業者、交通事業者、観光事業者、自治体、教育機関、コンサルタント、メディア、学生など職種も様々、沖縄県内の交通/移動(モビリティ)に関心がある方はもちろん、普段あまり公共交通を使っていない、という方、沖縄県外からも多くの方々に参加いただき、誰もが使いやすい交通、理想の交通ってなんだろう?をデータを通して皆で考えるワークショップとなりました。



開催概要

主  催:Okinawa Open Data Challenge 2022 実行委員会

運  営: 一般社団法人 沖縄オープンラボラトリ(OOL)

参加者: IT事業者、交通事業者、観光事業者、自治体、教育機関、コンサルタント、メディア、学生 など

総合進行:石垣 綾音(まちづくりファシリテーター)

技術サポーター:諸星 賢治(合同会社MoDip)、又吉 淳一(株式会社エクトラ)

協  賛:

・株式会社FUNIT. 

・株式会社ヴァル研究所 

・株式会社オリエンタルコンサルタンツ

・一般社団法人宮古島観光協会

・株式会社エクトラ

・ANA宮古支店 

・東京バス株式会社

募集要項:https://ool.connpass.com/event/249130/


ワークショップで取り組んだこと

プレイベント①

日時: 2022年7月16日(土) 14:00〜16:00

場所: オンライン開催

参加人数: 38名


プレイベント①はアイスブレイクとして、参加者個人の現在の交通事情や交通課題について、グループに分かれて話し合いました。また、事前学習として、データ化すること、GTFSとは何かについてOTTOP又吉さんより説明をいただきました。

自治体の事例や海外の事例、県内の大学生の視点でのコメントなどパネルセッションもあり、南城市のコミュニティバスの事例では、「Nバスのファンを増やす」取り組みなどが紹介されました。実行委員の一人でもある諸星さん(合同会社MoDip)からは、「地域公共交通のトリセツ」をご紹介いただき、公共性とは何か?について考えました。

「自分一人の幸せ(満足)のためだけではなく視野を広げて、沖縄に関わる皆が幸せになるために、理想的な移動手段を考えてみましょう」と諸星さん。



南城市Nバスの事例やハワイの事例で人を中心とした交通・街の設計の紹介、県内の大学生の視点などパネルセッションも行われました。



プレイベント②

日時: 2022年7月30日(土) 14:00〜17:00

場所: 沖縄県立図書館

参加人数: 26名


プレイベント②では、前回の学習をもとにテーマ出しをする回となりました。プレイベント①とは異なるグループに分かれ、交通に関する現状や困りごと、理想像などをディスカッションし、そのあと個々でテーマを考えました。

個々に出されたテーマの中から共感を集めたテーマをグループ内で絞り、仮説を立てたり、どういうデータが必要なのか、各チームごと活発な議論がありました。

次回のメインイベントではここで決まったテーマをもとに路線を作成していきます。



メインイベント

日時: 2022年8月18日(木)、19日(金)10:00〜17:00

場所: 沖縄産業支援センター

参加人数: 28名


メインイベントでは、プレイベントで分かれた6チームで、4つのことにチャレンジしました。


1、交通機関をつくる

2、駅やバス停、港をつくる

3、路線をつくる

4、時刻表をつくる


1日目はデータに向き合いながらああでもない、こうでもない、と意見を出し合い、一緒に考える時間です。RESASのデータや自治体が公開しているデータや都市計画などをもとに、「誰が、どのようなシチュエーションで利用するのか」を考えながら、交通機関や停車場所、路線、時刻などのアイデアをまとめていきます。路線のみでなく、使ってもらうアイデアや考えられる相乗効果についても検討します。

空想だからなんでもあり、という自由が逆に各チームを悩ませた?ようです。



2日目は運行時刻や停留所の名前、位置(緯度・経度)などの情報をエクセルで黙々と整理、作成していきます。

さらに、他チームとの路線連携を探る「交渉タイム」が設けられ、路線を繋げられる部分はないか交渉したり、停車位置を再検討するなど、一部エリアのみならず、市町村を跨いだ交通計画策定の難しさを擬似体験する場にもなりました。

グループワークの時間内で実際に現地視察にいくグループも。



メインイベントではライトニングトークも。

参加者の一人、津村さん(オリエンタルコンサルタンツグローバル)から、ジャカルタの交通状況について興味深いお話をしていただきました。急速に発展している街ではMRTの開通ラッシュや新しいモビリティサービスが台頭する反面、交通が生む社会分断、交通格差についての貴重な話もありました。

「色々な人々(みんな)の都市への権利(交通権)を守るために、公共交通は本来備わるべきで、必要不可欠」と語る津村さん。ジャカルタ在住ということでジャカルタの「バティック」を着て登壇。



2日間のグループワークを経て、最終発表。

昨年に引き続き、総合進行を務めていただいた石垣綾音さんの的確な進行のもと、データと向き合った2日間(+プレ2回)。いよいよ15時半からは各チームの成果発表会です。

効率重視のアイデアを発表したチーム、移動時間を楽しむアイデアを発表したチームなど様々でしたが、自らが乗りたい、使いたい!と思う路線の発表だけに、リラックスした明るい雰囲気の中での発表会になりました。痒い所に手が届いてる!すぐ実現してほしい!と声が上がる楽しい路線が揃いました。


発表資料

A 宜野湾市に住みたくなる路線(メインエリア:宜野湾市)

  普天間基地を突っ切る「ねたてライナー」。海が見えるロープウェーで楽しく移動。


B ゴールデンサンライズルート(メインエリア:金武町〜東海岸)

  北部東海岸沿いに住みながら那覇市近郊への通勤を可能に!東海岸の活性路線


C 学校に行こう 観光に行こう(メインエリア:南城市〜南部)

  南部地域から学校を繋ぎ通学を楽に。八重瀬町、南城市の小さな魅力も見逃さない、素通りさせないコミュニティバス


D レンタカーなしでゆっくり沖縄南部を楽しむ観光路線を作ろう!(メインエリア:南城市〜南部)

  観光最終日はレンタカー要らず!ゆっくり南部観光&空港まで楽々移動。


E パリピ観光の夢を叶える斬新路線(メインエリア:沖縄市〜中部)

  北谷だけじゃない、ディープな沖縄市飲みを叶える後悔させない片道ライナー!


F ずみ!みゃーく 宮古島観光路線(メインエリア:宮古島)

  宮古島滞在がレンタカー無しで完結!無敵観光路線。



感想
  • ちゃんと地図を見ながら議論することで納得度が高まった。

  • 空想とはいえ、路線の定義を決めるところ、落とし所が難しかった。

  • データと感覚を併用したが、議論をする中でデータで見えない部分など経験や感覚も大事だと思った。

  • 授業でもやってみようっと!

  • 現行計画、現地調査や走行時間を確認して時刻表の設定が大変。。。

  • 実際に自分が乗車してみたいと思えるルートを楽しみながら考えました!

  • 既存のバスのルートは、意外に理にかなっていることが分かった。

  • 時刻設定が難しい。バス会社も苦労してるなと思った。



全体共有

最後に各チームが作成した全データを皆で確認。技術サポーターが各チームに代わってデータを取り込み、経路検索ができるようになった状態のものを全体共有してもらいました。

各チームが作成したデータの細かな部分を修正しながら取り込んでいく作業は地味ながら一番大変な作業です。名前の付け方や表記の仕方などデータ作成の際のポイントを皆で再確認。全体をマージした情報を見ることで、以外にもチーム間の路線連携が取れていた、なんてことも判明し盛り上がりました。



各チームから提供されたデータを取り込み中の又吉さん、諸星さん。(上)

今回作成した全路線を反映させた経路検索図。(下)



総評、ゲストコメント

沖縄総合事務局 村上隼氏

皆さんの発表を楽しく拝見した。データを活用して企画したアイデアが素晴らしかった。 データで見える化することによってITが使われていく、使われていくことによって新たな発見があり、繋がりが見えてくることがある。このような活動一つ一つの積み重ねが沖縄の観光、交通の発展につながるのではと思う。お疲れ様でした。


沖縄オープンラボラトリ代表理事 伊藤幸夫氏

OODCは昨年も実施されたが、今年も楽しい発表を聞かせていただいた。交通データだけでなく、都市計画などあらゆるデータを使って、結果、形になることを経験することは大変いいことだと思う。沖縄オープンラボでもリアルタイムデータの取得に取り組んでいる。交通の移動だけでなく、いろんな産業界でデータの使い方ができる。いろんな方々からアイデアが出て使われていくとビジネスだけでなく地域の活性にも活かすことができる。ぜひ、これで終わりでなく、こういう活動を継続するきっかけにしていただければと思う。


技術サポーター 諸星さん

今回はデータの取り込みに追われてしまったが、皆さんの動きを見ていて、そんなに強く促したわけではないが、自発的に他チームとの交流を取っていて素晴らしかった。今回は空想ということで困ったらなんでもあり、ある意味究極の制限がある中で、自由な分自己責任で路線を生まなきゃいけないというところで、自分達の作った路線で思い入れもあると思う。この後も(経路検索の)環境を残してもらえるということだったので機会があれば使ってみてほしい。この後もリアルな公共交通の場などに繋げて、公共交通が良くなる動きにつなげていければと思う。


技術サポーター 又吉さん

最初にこのテーマを設定する際に、昨年はデータを見る・触るまでやったので、今年はデータを作る、考えるということにチャレンジしてほしいという思いがあった。空想とはいえ、設定はリアリティを持たせつつ、意外と時刻を考えるが難しいなど、空想とリアルの狭間で悩みながら面白い経験ができたのではないかと思う。今後もOTTOPでこの活動は続けていきたいと考えている。本当に皆様お疲れ様でした。



 

運営事務局から(山入端)

 今回は運営チームも参加者の一員として有意義な時間を過ごさせていただきました。

ただ路線を考えるだけでなく、誰が、どんな時に利用するのか?みんなの交通を考える「交通をデザインする=まちづくりの視点」についても事前学習で学ぶことで、その視点も念頭に入れながら検討することができました。距離と時間を考えて時刻表を作ったり停留所の位置を調整したり、実際にやってみると大変でしたが、グループ内で得意分野を割り振ってできたのもよかったです。

 「データ」と聞くと何かテクニカルなもの、と想像しがちですが、身近にある情報を整えるとデータになり、現状を把握することでより良いアイデアが生まれることを改めて実感しました。今回は時間が足りず実践・反映できなかった部分もありますが、また次回チャレンジしたいと思います!


OTTOPでは、沖縄県の観光と2次交通情報をオープンデータとして取り扱うことで 公共性の高い情報資産を“地域”のために残していくための データのメンテナンス、利活用促進のためのコミュニティづくりを進めています。

今後もこのような活動を継続しオープンデータの普及、利活用について考えていきたいと思います。次回の企画に乞うご期待ください!